しげた歯科・矯正歯科医院は、年末年始の下記の期間、休診とさせていただきます。
2019年12月28日(土)午後~2020年1月5日(日)
患者様にはご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようお願いいたします。
矯正治療の心配事といえば、費用面ではないでしょうか。矯正治療はほとんどのケースにおいて自費治療となるため、治療費が高くなってしまいます。矯正治療には色々な方法がありますが、治療法によっても金額が変わってきます。では矯正治療ではどのくらいの費用が必要なのでしょうか。
矯正治療に必要な費用とは?
矯正治療にかかる費用は、装置代だけではありません。矯正治療を開始するにあたり、それぞれ費用が発生します。その費用の内訳は主に以下に挙げるものになります。
・相談料(無料~約5,000円)・・・初めて矯正治療を受けるときに必要な費用です。歯科医院によってはこの相談料が無料のところもあります。
・検査料(約30,000~50,000円)・・・検査とは、お口の中の状態を詳細に把握するもので、口腔内の診察、レントゲン撮影、口腔内写真の撮影、歯型取りなどを行います。この検査は骨格や歯の状態を把握するために欠かせない検査です。もしこの時に虫歯や歯周病などが見つかった場合、矯正治療を開始する前にこちらの治療を済ませておく必要があります。
・診断料および装置料(成人の場合:約600,000~1,000,000円程度)・・・診断料とは、検査結果により矯正治療が必要かどうか、抜歯の必要性の有無そして矯正方法などを診断するための費用です。装置料は、小さなお子さんと成人では矯正方法も異なるため、費用が大きく異なることが多いです。また、裏側(舌側)矯正の場合、他の矯正治療よりも高くなります。
お子さんの場合、第一期治療と第二期治療に分かれます。第一期治療は顎の成長を促すための矯正治療で、費用は20万程度のところが多いようです。引き続き第二期治療に移行した場合、別途料金が必要となります。
・調整料(約3,000~5,000円)・・・矯正治療が始まると、およそ月一回の診察があります。歯が順調に動いているかどうか、虫歯はないかなど口腔内の確認のほかワイヤーの調整、マウスピースの交換といったことが行われます。
なお虫歯や歯周病、歯のクリーニングおよび矯正治療に関連した口腔ケアグッズ購入などは別途料金が必要になります。
歯科医院によっては相談料、検査料、調整料などが最初のお支払いに全て含まれていることもあります。矯正代金に何が含まれているのか、よく確認しましょう。
支配総額をよく確認しておきましょう
矯正治療はトータルの費用が高くなるため、支払いに不安を感じてしまうかもしれません。まずは支払総額がどのくらいかかるかをよく確認しましょう。歯科医院によってはデンタルローンやクレジットカードでの支払いが可能なところもあります。支払方法も含め、費用は明確にしておくことが大切です。
矯正治療が必要と判断された場合に思い浮かぶのは「抜歯をしなければいけない」ではないでしょうか。矯正治療の多くは抜歯を必要としますが、全てのケースにおいて抜歯が必要なのでしょうか。今回は、矯正治療における抜歯の有無について考えてみたいと思います。
歯を残すことは、体の健康を維持することに深く繋がる
「8020運動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、80歳になったときに自分の歯を20本残残しましょう、という厚労省と日本歯科医師会が推進している運動です。80歳で20本の歯があれば、しっかり噛んで食事を楽しむことができるため、健康長寿にも深く関わっていると言えます。
しかし矯正治療では、健康な歯を抜歯しなければいけないケースが多く、健康な歯を抜くことで将来的に残存歯に影響してしまう可能性は否定できません。できるだけ健康な歯を残すことで体の健康を維持することが推進されているのにもかかわらず、矯正治療では健康な歯を抜歯しなければならないことがあるのはある意味矛盾していると考えられるかもしれません。
矯正治療で抜歯が必要となるケースとは?
では矯正治療で抜歯が必要となるのは、どのようなケースでしょうか。
・歯の大きさに対して顎の骨が小さいケース・・・顎の骨が小さい場合、永久歯の歯列が正しい場所に並ばずに飛び出してしまう、重なり合ってしまうなどガタガタの歯並びになってしまいます。このようなケースの多くは小臼歯を抜歯して矯正治療を行います。
・前歯が前に出ているケース・・・前歯が前に出ている、前歯が前に傾斜している、横顔を見たときに口元が前に出ている、前歯が出ていて口が閉じにくいなどの場合にも、小臼歯を抜歯して矯正治療を行うことがあります。
・親知らずがあるケース・・・親知らずは必ず抜かなければいけないことはありません。親知らずが上下4本とも生えていても噛み合わせに問題がなく歯列が整っていれば、そのままにしておくことがほとんどです。しかし親知らずがあることで歯列の乱れや噛み合わせに異常がある場合、親知らずを抜歯します。
・その他の異常があるケース・・・過剰歯(通常より歯の本数が多い)、埋伏歯(歯が骨に埋まっている)で萌出させることが困難な場合、大きい虫歯・歯根の露出・歯根の吸収があるなど歯の保存が難しい場合では抜歯となることがあります。
抜歯をせずに矯正治療ができるケースとは?
軽度のガタガタやもともと歯並びに隙間がある場合、矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療など、症例によっては非抜歯で歯並びを改善することができるケースも少なくありません。非抜歯で矯正治療を進めるにあたり、歯を少し削って歯が動くスペースを確保したり、上下の歯の大きさのバランスを整えたりする場合もあります。
歯列矯正によって歯並びを整えることは、虫歯や歯周病を予防し、歯の健康を維持することに繋がります。しかし矯正治療のために抜歯することで、将来的な歯の寿命に影響してしまうことも考えられます。一方で、明らかに抜歯の必要があるケースで抜歯せずに無理に矯正治療を行ってしまうと、上下の歯が上手くかみ合わなくなったり、口が閉じにくくなったり、歯や歯の周囲の組織にダメージを与えたりする場合もあります。
抜歯か非抜歯か、どちらの方法で矯正治療を進めていくのか、またその際に生じるリスクなどもよく理解するために、担当の歯科医師とよく相談しましょう。
歯並びや噛み合わせが何となく気になっても、矯正治療が必要なのかどうか、これくらいは大丈夫なのか、ご自身では判断がつかないこともあると思います。矯正治療が必要なケースなのに、そのままにしておくことで様々なリスクが生じるかもしれません。ではどのような歯並びや噛み合わせだと矯正治療が必要なのでしょうか。
きれいな歯並び、良い噛み合わせとは?
歯列が整った口元は自然と笑顔に自信が漲り、相手にも好印象を与えます。そして整った歯並びと正しい噛み合わせは、見た目だけではなく歯やお口全体、そして体の健康維持にも深く関わるのです。
ではきれいな歯並びや噛み合わせとは、どのような状態を指すのでしょうか。鏡を見てチェックしてみて下さい。
・奥歯で噛んだ時、上下の前歯の中心が合っている
・上下の前歯が2~3mm重なっている
・上下の歯が1歯に対して2歯で噛み合っている
あなたの歯並びや噛み合わせは大丈夫でしょうか?
矯正治療が必要な歯並びや噛み合わせ
・ガタガタの歯並び(叢生)・・・永久歯が正しい歯列に並ばず、ガタガタに並んでおり歯と歯が重なっているような歯並び。見た目のコンプレックスだけでなく、歯磨きがしづらい歯並びのため、虫歯や歯周病リスクが高くなる
・出っ歯(上顎前突)・・・前歯が突出しており、口を閉じても前歯が見えている状態。前から見た感じはきれいに歯が並んでいるように見えることもある。前歯だけが出ているケースと、上顎全体が突出している骨格の問題のケースがある
・受け口(反対咬合、下顎前突)・・・下の前歯が上の前歯よりも出ており、横から見たら顎が突き出してしゃくれている状態
・開咬(オープンバイト)・・・奥歯で噛んだ時、上下の前歯に隙間が生じる噛み合わせ。前歯で噛み切ることができず、奥歯に過度な負担がかかる
・過蓋咬合・・・上下の噛み合わせが深い状態。噛んだ時に上の歯が下の歯をすっぽりと覆ってしまうため下顎が動かしにくく、顎の関節に負担がかかりやすい
・上下顎前突・・・骨格的に上下の顎が前方へ突出している状態。前から見ると歯並びがきれいに揃っていても、横から見ると口元全体が前へ突出している
・すきっ歯(空隙歯列)・・・歯と歯の間に隙間がある歯並び。見た目に問題がある他、空気が漏れて発音が不明瞭になりやすい
・噛み合わせのズレによるバランスの悪さ・・・骨格が原因で噛んだ時に左右の噛み合わせがズレている。顔の中心と顎の中心がズレているため、見た目にも問題が生じる
このような歯並びや噛み合わせは見た目の問題だけでなく、歯の健康や顎の関節に影響が起こりやすいため、矯正治療が必要になります。
ご自身やお子さんの歯並びや噛み合わせに不安がある場合、また矯正治療が必要かどうか迷っている場合は、まずはかかりつけの歯科医師に相談してみて下さい。
歯並びが悪いと、見た目のコンプレックスを抱え、人前で思い切り笑うことができなくなるのではないでしょうか。口元の印象は非常に重要で、どんなにきれいなメイクをしても、あるいは高級なブランドのスーツを着ても、残念ながら歯並びが悪いことで台無しになってしまいます。このように、歯並びの悪さは人の印象にマイナスのイメージを与えがちです。
一方、歯並びは悪くないものの噛み合わせに問題があると、歯や顎の関節などお口の健康に大きな影響が出てしまうことがあります。
歯並びの悪さで引き起こされる問題とは?
歯並びが悪いことで生じる問題は、見た目だけではありません。歯と歯が重なっているところは歯磨きが非常にしづらく汚れが残り、細菌が集まってプラークが作られます。このプラークに虫歯菌や歯周病菌が棲みつくことで、歯を溶かしたり歯ぐきに炎症を引き起こし、虫歯や歯周病になってしまいます。
噛み合わせの悪さで引き起こされる問題とは?
噛み合わせの悪さはどのような問題を引き起こすのでしょうか。不正咬合と呼ばれているものには出っ歯、受け口、オープンバイトなどがあります。特に出っ歯や受け口は見た目のコンプレックスを抱えている方も多いと思われます。また、噛み合わせの悪さは、顎の関節や発音、咀嚼機能、肩凝りや頭痛などの不定愁訴にも繋がる場合もあります。さらに、歯の摩耗、虫歯、歯周病などお口の中の健康にも影響してしまうのが噛み合わせの悪さによる問題点と言えます。
このような歯並びや噛み合わせの悪さは矯正治療で改善することが可能です。では矯正治療を受けることで、どんなメリットを得ることができるでしょうか。
矯正治療を受けることで得るメリットとは?
歯並びの悪さや噛み合わせの異常は、矯正治療をすることで見た目の問題を改善することができます。そして見た目だけでなく、歯並びが整うとブラッシングしやすくなることで虫歯や歯周病のリスクを低減することが期待できます。歯と歯が重なっていた部分の汚れを落としやすくなり、プラークができにくくなることは、お口の健康にとってとても重要な意味を持ちます。
また矯正治療は歯並びだけでなく、正しい噛み合わせにすることを目的としています。噛み合わせの異常を改善することで正しい咀嚼や発音、体の健康維持など様々なメリットを得ることが期待できます。
矯正治療は費用が高い、面倒など治療に踏み切るまでに時間がかかるかもしれません。しかし虫歯や歯周病リスクが高くなると、結局治療が必要になり、歯を失うリスクが上昇してしまいます。矯正治療は見た目のコンプレックスを改善するだけでなく、歯と体の健康維持に対してもメリットがあると言えます。
歯並びや噛み合わせを改善するための矯正治療は、どのようにして進めていくのでしょうか。
治療の流れをご紹介します。
1.相談・・・歯並びが悪い、噛み合わせがおかしい、学校の検診で歯並びの異常にチェックがついたなど、歯並びにお悩みの方はまずかかりつけの歯科医師に相談して下さい。必要に応じて紹介状を書いてもらうことがあります。または直接、矯正歯科で相談の予約を取ります。矯正歯科ではまず相談から始まります。歯並びや噛み合わせについてお話を伺い、矯正治療が必要かどうかなどを判断します。
2.検査・・・矯正治療を開始するためには、お口の中の状況を把握する必要があり、そのための検査を行います。検査では歯並びや噛み合わせの状態の確認、レントゲン撮影、口の中と顔の写真撮影をします。歯の本数や虫歯、歯周病がないかどうかもチェックします。矯正治療におけるこのような検査を「資料取り」と言い、矯正治療には不可欠です。
3.診断・・・一連の検査に基づき、矯正治療が必要かどうかを判断します。矯正治療を行う場合は矯正方法を決めます。診断結果や年齢により矯正方法は変わってきます。小さなお子さんなら取り外しできる矯正装置やワイヤー矯正、成人の方は抜歯の有無も含め、ワイヤー矯正治療やマウスピースを用いた矯正治療、インプラント矯正治療(歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療)などから一人ひとりに最も適した治療法を選択します。
4.装置装着・・・矯正方法が決定したら、次は矯正装置の作製に移ります。ワイヤー矯正などでは必要に応じて粘土のような印象材を使って型取りを行い、インビザラインなどのマウスピースを用いた矯正治療は、光学スキャナを使って型取りを行って装置を作ります。出来上がった装置を装着し、矯正治療を始めます。なお抜歯の必要がある場合、このタイミングで抜歯を行うことがほとんどです。
5.調整・・・矯正装置を付けたら、調整を行います。調整のための通院間隔は一か月に一度もしくは3~7週間に一度など、歯科医師からの指示に応じて来院し、歯の動きを確かめながら調整を行います。ワイヤー矯正治療ではワイヤーを交換し、マウスピースを用いた矯正治療では新しいマウスピースに交換します。虫歯や歯肉炎がないかどうかも確認し、虫歯などが見つかった場合、早めに治療を行います。
6.装置撤去・・・歯並びや噛み合わせに問題がないことを確認したら、装置を外します。インプラント矯正治療(歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療)の場合、歯ぐきから矯正用アンカースクリューを撤去するため少し痛みを感じることがあります。またワイヤー矯正は、歯の表面に取り付けたブラケットを撤去するのにやや時間がかかります。
7.保定期間・・・矯正装置の撤去後は、後戻り防止のために保定装置を装着する保定期間に移ります。保定期間は個人差がありますが、2~3年ほどかかります。また、保定期間が長ければ長いほど、歯並びや噛み合わせが安定してきます。
歯並びが悪かったり、出っ歯や受け口など噛み合わせに問題がある場合、矯正治療をお考えになることでしょう。しかし、虫歯のように痛みなどの自覚症状がないため、つい後回しになったり、いつから始めたらよいかわからず矯正治療に踏み切れない方も多いと思います。では矯正治療はいつから始めるとよいのでしょうか。
お子さんの矯正治療の場合
お子さんの歯並びに問題がある場合、乳歯から永久歯に生え変わるころ(前歯4本が生え変わるころ)を目安に開始するとよいでしょう。乳歯の歯並びが隙間なく生えそろっている場合や顎が小さい場合、永久歯に生え変わった際の歯並びがガタガタになる確率がかなり高くなります。永久歯は乳歯より歯が大きいため、乳歯がきっちりと生えていると永久歯がきれいに並ぶスペースが不足してしまいます。この時期に矯正治療を始める場合、歯を抜かずに顎の骨の成長を促し、永久歯が並ぶためのスペース作りを行います。この時期に矯正を行っておくと、永久歯が正しい歯列に並び、その後の矯正治療も比較的スムーズに進むでしょう。
矯正治療はできるだけ早期から始めたほうが良いですが、小学校に入るまでは装置の管理などが大変なため、小学校に入学してからでも遅くはありません。ただし受け口の方は早期にかかりつけの歯科医院か矯正歯科を受診することをお勧めします。
大人の矯正治療の場合
一方、大人は子供に比べて歯の動きが遅く、治療期間が長くなる傾向にあります。また多くの場合、小臼歯などを抜歯して歯を並べるスペースが作られます。抜歯する歯は小臼歯や親知らずが多いですが、抜歯が怖い、イヤだと躊躇する方もいらっしゃることでしょう。
大人の歯を動かすためにはスペースづくりが必要です。そのためやむを得ず抜歯をしなければならないケースも出てきます。また必ずしも抜歯が必要とは限りません。セカンドオピニオンを求めてみる方法もあります。
しかし歯周病が進行して歯を支える歯槽骨がかなり吸収されてしまっている場合や被せ物が多い場合、矯正治療が難しいと判断されることもあります。歯並びや噛み合わせを改善したいとお思いの方は、まずかかりつけの歯科医院に相談しましょう。
矯正治療は「やってみよう」と思ったときがはじめ時です
ガタガタの歯並びは審美面だけでなく、歯の健康維持に非常に深く関わります。お子さんも成人の方も、まずは相談することから始めてみましょう。