矯正治療中に引っ越し・留学・出張することになったら

矯正治療中に引っ越し・留学・出張することになったら

矯正治療途中に引っ越しや留学、出張になると、今まで通っていた歯科医院や矯正歯科に通院できなくなる可能性が出てきます。また矯正治療をしたくても、お仕事の都合で転勤が多い場合には矯正治療を躊躇する方もいらっしゃるでしょう。では矯正治療中に引っ越しなどが理由で通えなくなった場合、矯正治療はどうなるのでしょうか。

矯正治療中に引っ越しや留学などが決まったら?

虫歯や歯周病治療の場合、転居先の歯科医院で治療をすることは大きな問題ではありません。しかし矯正治療は長期間にわたって治療が行われるため、転勤などが決まったら、矯正治療はどうなってしまうのか心配になることと思います。

矯正治療はできる限り、治療を開始した矯正歯科医院で続けることがベストです。もし転居先から今までの医院に通院が可能であれば、これまでと同じ医院で治療を受けましょう。

遠方への転勤・転居・留学・出張などで通院が困難になった場合には、転居先の矯正歯科医院に紹介状や資料を持参または郵送して、転院手続きを行い、治療を引き継ぐことになります。

ここで注意したいのは、転院前と転院後の矯正歯科医院で治療方針や最終的な治療のゴール、矯正装置、料金体系などに違いがあるかもしれないということです。ゴールの認識が違えば治療期間や使用する装置にも違いが出るかもしれません。また、矯正装置には様々な種類があるため、転院元と転院先とで主に使用している装置が異なる場合には、転院後に装置を着け替えて治療を続けることも考えられます。転院の際には紹介状やレントゲン写真などの基礎的な資料を転居先に持参または郵送して治療を引き継ぎますが、上記のように治療方針や装置に変更が出たり、料金体系の違いから新しく費用が発生することがあります。

費用については、日本矯正歯科学会会員の矯正歯科医院で転医や治療の中断となった場合、日本矯正歯科学会の指針に基づいて、治療の進行状態に合わせて精算・返金を行うこととなっています(当院もこの指針に基づいた対応となります)。また、医院ごとに規定が定められている場合がありますので、転医や中断による費用の返金については主治医にご相談されることをおすすめします。

また舌側矯正装置での矯正治療を行っている方は、いちど装置を撤去し、違う装置を使って矯正治療を再開することもあります。その理由は、舌側矯正装置は医院によっては対応していないところもあるからです。また難症例に対応できる医院が残念ながら近くに見つからない、といったケースも見受けられます。

海外留学や出張など、諸外国へ転居するケースにおいては、表側に矯正装置をつけている場合は紹介が可能なケースがほとんどです。しかし舌側矯正装置の場合は、いちど装置を撤去して表側に着け替える必要があります。また短期間であれば一時的に装置を外して治療を中断し、帰国後に装置を着け直して治療を再開するといった方法も考えられます。

難症例のケースでは、これまでのかかりつけで通院したほうが良い場合も

難症例と言われている症例などでは、転院せずにこれまでと同じ矯正歯科医院に通ったほうが良い場合があります。例えば「2か月に1回なら通院が可能」など、通院頻度を下げれば通院できる場合には、転院せずにこれまでの矯正歯科医院で治療を続けた方が、結果的にはスムーズに治療が進む場合もあります。

引っ越しや留学などが決まったら、早めにかかりつけ医に相談を

矯正治療はできる限りこれまでと同じ矯正歯科で治療を受けることが望ましいですが、通院ができなくなった場合は現在の歯科医院に相談し、転居先の矯正歯科への紹介状などの資料を揃えてもらう必要があります。また、治療の中断の場合にも装置の撤去や中断期間に使用するリテーナー(後戻りを防ぐ装置)などの準備が必要です。転居が決まって通院が難しくなりそうな場合は、早めにかかりつけ医に相談するようにして下さい。

 

ページトップへ